米国主導で開始されたイスラム教過激派武装勢力「イスラム国」に対する軍事作戦に関して、英国、オランダ、ベルギー及びデンマークら欧米諸国が26日までに相次いで参加を表明した。これにより、これまで米国の空爆作戦に協力していた中東5カ国とフランスで構成されている有志連合が、さらに国際的に広がることとなる。米国は同空爆作戦に参加を表明した国々に対して歓迎の意を示し、これにより新たに各国が派遣する戦闘機計数十機が空爆作戦を構成する兵力として増加することになる。


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イギリスでは、議会が26日に「イスラム国」に対するイラクでの空爆への参加を求める政府の動議を審議し、英下院は賛成524、反対43の圧倒的多数で可決した。従来、同国内では「イスラム国」攻撃に関する世論は消極的だったが、NGO職員であったイギリス人男性が「イスラム国」によって惨殺されたことが世論に大きな衝撃を与え、今回の議会承認へと繋がった。今回の議会承認においては、米国同様、軍事作戦は空爆に限定され、地上部隊の派遣は行わないものとしている。


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これに先立つ23日、ベルギーのピーター・デクレム国防相は、米国からの要請に応え、6機の戦闘機を1ヶ月間派遣することについて閣議決定したことを明らかにしていた。オランダでは、ローデウェイク・アッシャー副首相が24日に開かれた緊急閣議の後、「オランダは米国及び有志連合が実施する空爆作戦に対し、F16戦闘機6機を1年間にわたって参加可能にする」と記者発表を行った。オランダは戦闘機の他に、同空爆作戦の兵站要員250人とイラク軍への指導要員130人も派遣する予定だ。デンマークも26日、戦闘機7機を派遣する方針を発表。また、ギリシャはイラク国内でイスラム国と対抗しているクルド人部隊対して軍事支援を実施することを表明した。

 

また、これまで「イスラム国」問題について静観の立場であったトルコも、エルドアン大統領が国営テレビでの演説において、米国主導の有志連合に軍事支援を行う方針を示した。さらに、米国と核開発疑惑で対立しているイランについても、21日に米国との間で行われた外相会談の場で「イスラム国」問題について意見交換を行った。イランは、シリア国内のイスラム国拠点への空爆作戦の実施については反対の立場をとっているが、「イスラム国」勢力の掃討について米国との利害が一致しているため、水面下での協力を模索している模様である。

 

これら米国をはじめとする有志連合の広がりによって、空爆作戦の実施等、「イスラム国」への軍事作戦に対する国際的なコンセンサスが形成されたと考えることができる。これまでシリアとイラク国内に跨り広い地域を掌握し、強い影響力を及ぼしてきた「イスラム国」と国際社会の戦いが、大きな転換点を迎えたとも言えるだろう。


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