陸上自衛隊は8/29(金)から9/28(日)までの間、米軍が所有するアメリカ・ワシントン州にあるヤキマ演習場でアメリカ陸軍と合同で射撃訓練を行った。この訓練に、日本側からは155mmりゅう弾砲(大砲)やAH-1S(戦闘ヘリ)等の他、最新鋭の戦車である「10式戦車」が参加した。


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何故アメリカまで行って訓練するの?
陸上自衛隊も、もちろん日本国内に射撃訓練場を持っているのだが、広さなどの制約により、それぞれの武器の最大射程で射撃ができないという何ともトホホな現状がある。そこで、日米安保条約を結んでいる米国まで武器を持っていって、全力射撃をさせてもらっているのだ。1994年から、米軍との共同訓練という位置付けで毎年の様に行われている。もちろん、輸送費用等、かなりのコストがかかってしまっているのが現状である。


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「10式戦車」って何がスゴイの?
10式戦車は、2009年に開発が完了し、2011年から配備が開始された日本最新の戦車だ。世界の主要国の戦車と比較しても、10式戦車が優れている点は多くあるが、最も特徴的なものとしては、「軽量コンパクト」「スラローム射撃という特殊な射撃の命中率の高さ」を挙げる事ができる。軽くて小さいので、従来の戦車より被弾する可能性が低くなる上、機動力が上がるため、破壊される可能性が下がったり、これまでの戦車では行くことができない様な場所でも戦うことが可能。「スラローム射撃」については、不整地などで戦車の車体が大きく揺れる状況下で行う射撃を指すが、この射撃の命中率は、日本が保有する旧型の90式戦車でさえ世界一であるとの評価がなされている。10式戦車では、この「スラローム射撃」能力が90式戦車と比べても性能アップが図られている。ちなみに、10式戦車の登場で旧型になってしまった90式戦車だが、Forecast Internationalという会社が2004年に行った世界主力戦車ランキングで、なんと第3位にランクインし、実戦を経験していない戦車としては異例の高評価となったことが世界中を驚かせた。10式戦車に関しては、まだ海外でも専門的な軍事研究家からの評価が固まっていないが、少なくとも90式戦車を遙かに上回る総合性能を有していることは、陸上自衛隊が公表している情報からも明らかだ。

そんな超性能の戦車を作る必要があったの?
これについては議論の分かれる所。実際、防衛省としても、90式戦車の後継戦車として、外国製戦車を輸入することも検討していた。ここで敢えて10式戦車を開発した理由は、「将来の改造の容易さ」「外国戦車は大きくて重い」(重い戦車は国内の橋の重量制限で移動が制限されてしまうの)の2点が決定打になったようである。ただし、我々国民の貴重な血税から捻出している防衛予算には限りがあるので、その予算を「戦車」の開発と生産に大きく割いたという事には異論もある。現在、世界の軍事研究の主流は、航空機や無人機そして各種ミサイル等にある。現に、戦車を実戦で幾度となく使用してきたアメリカでさえ、1981年に配備を開始したM1A2(前述の戦車ランキング世界1位)という戦車を使用し続けており、後継の戦車については開発が中断された経緯がある。我が国も、限られた予算しかないのだから、開発する武器の選定は慎重にしてもらいたいものである。


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